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2019.2.1 最終確認

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特記なきはすべて新品商品
SCSI接続の基本とターミネーションのルール

標準記憶ドライブがSCSIからIDEに変わった「ベージュPowerMac G3、PowerbookG3」よりも前のMacintoshとつきあうにはSCSI機器の基本知識が必要です。内蔵HDDだけを使うだけならいいのですが、やがてHDDが故障したりOSを再インストールする際に避けて通れないのがターミネータの知識です。

もうすっかり忘れてしまった方のためのおさらいかたがた、手持ちのSCSI機材を活用できるよう解説します。

MacintoshでのSCSIの基本

単に「SCSI」と呼ばれる初期型のSCSI規格(SCSI-1ともNarrow SCSIとも呼ばれるの使用上の基本は、概略以下の通りです。

 (1)SCSI ID番号を重複せずに0から6まで付与した7個のドライブまで使えます

    ID番号の割り振りは、便宜的には内蔵HDDが「0」、CDドライブが「3」などとなっていますが実際には、ほとんど関係ありません

    (応答の遅いデバイス(光学ドライブ)から順に大きい番号を当てることが望ましい)

 (2)SCSIケーブルの総延長は5mまで(SCSI-2は3m、UltraSCSIは1.5mまで)
 

    機器内部も15cmとみなされるので、極力、高品質なケーブルで短く配線します

 (3)SCSIバスの両端(最初と最後)の機器にはターミネータが必要

 (4)OSの起動順位はSCSI番号の大きいものから降順 (内蔵HDD=0が一番低い)

 (5)SCSI装置の転送速度の速い順に、SCSIコントローラーに近いほうから配置する(CD-ROMドライブが一番最後の終端装置

 (6)外付けSCSI機器の電源を先に入れてからMacの電源を入れます

    電源OFFはMacをシステム終了させてからすべてのSCSI機器の電源を切ると、再起動後の誤動作が防げます

 (7)SCSIケーブルは電源を入れていない機器であってもシステム起動中には絶対に着脱しない 

 

OldMacの時代はSCSIバスは1系統で、その1系統の中で位置的に「内部SCSI」「外部SCSI」と呼び分けているにすぎません。PowerPCの時代になると、SCSIバスは2系統「内部SCSIバス」「外部SCSIバス」になります。

またSCSIバスの「最初の機器」は、次項に説明するように「内部SCSIバス」か「外部SCSIバス」のいずれか片方しか使用しない場合は、Macの場合はSCSIコントローラー自身が「最初の機器」となって、自動的に自身をターミネートします。

ターミネータはどこへつける

SCSIコントローラーも自身のターミネーションを自動選択する

OldMac機では、「5380」「53C80」「85C80」などのICチップがSCSIバスをコントロールします。これらのチップを含むインターフェース回路にもSCSIのID番号「ID=7」が割り当てられており、ほかのSCSI装置の制御を一手に引き受けます。(SCSIコントローラーも、SCSI ID=7 をもち、スポーツでいえば監督ではなく「主将」に相当し、あくまでもプレーヤーの一員です)

SCSIコントローラーにもほかのSCSI装置と同様にターミネーションが必要ですが、Macをふくむ多くの場合、SCSIコントローラーのターミネーションは内部で自動設定されます。

よく「SCSIバスの両端(最初と最後)の機器にはターミネータが必要」と書かれていますが、「最初の機器」はパソコン自身、つまりOldMac機ではロジックボード上のSCSIコントローラーであり、SCSI I/Fを装備しないパソコンでは、PCI増設SCSIボード上のコントローラーです。

OldMac機やPCI増設SCSIボードのように、内部コネクタと外部コネクタの両方のコネクタをもつSCSIコントローラーでは、どちらか片側にのみにSCSI装置が接続されている(=たとえば内部コネクタのみを使用の場合)ときには、SCSIコントローラーは自身のターミネーションを自動で「有効」に設定します。

このため、最終SCSI装置だけにターミネータをつければいいことになります。

しかし、内蔵バス、外付けバスの両方にSCSI機器を接続した場合は、SCSIコントローラーは自身のターミネーションを「無効」とします。このとき内蔵バスの最終SCSI装置と、外付けバスの最終SCSI装置のどちらにもターミネータが必要となります。

 

外部ポートのみSCSI装置3台の接続事例

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ターミネータの取り付け位置の事例

以下のように、「SCSIバスの両端にターミネータ」が大原則ですが、SCSIコントーローラーは臨機応変に自身のターミネーションを自動選択しています。

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 SCSI接続の動きがおかしい時の対処方法と注意点

IDEやSATAが単なるストレージデバイスであるのに対して、SCSIはSCSIコントローラ(SE/30の場合はロジックボード上の「53C80」)を中心とするいわば「SCSI規格のLANで構成されるシステム」ですそのため規格が厳密で取り扱いにも慎重さが求められます。

トラブル時の基本確認事項

    ■ PRAMクリアをやってもダメか?

    ■ SCSIコネクタがきちんとささっているか(「抜けかかり」など実際これが一番多い)?

    ■ SCSI IDが他の機器と同じ番号でぶつかっていないか?

    ■ ターミネータは「デージーチェーンの両端の機器の2つだけに必要

     片端になくて「1個」や、内蔵用HDDを外付けケースに転用してさらに外付けターミネータを装着し事実上の3個」になっていないか?

    ■ 使っている複数のSCSIケーブルの総延長が5mに近くなっていないか?

 

ケーブルコネクタやターミネータの着脱(SW-ON)はMacとすべての機器の電源を落としてから

デージーチェーン接続(数珠つなぎ)のSCSIでは、複数のSCSI機器のうちどれかに電源が入っていれば5V前後の「TERM Power」電圧がターミネータにかかり、すべての機器に連動して供給されます。

このため複数接続のうち電源を落としている機器にもデージーチェーンから「TERM Power」電圧がかかっているのでその機器の電源は落としてあるから大丈夫だと安易に接続をいじると、そのSCSI機器の基板が損傷するだけでなく他の機器にも影響します。

【重要な注意点】

  Macのトラブルが発生したときは、かならずシステム全体の電源を落としてから点検します。

  電源が入ったままSCSIのコネクタ部分の接続確認をすると、万一、抜けかかっていた場合、コネクタを押し込んだ瞬間に破損することがあります。

  また、たとえ電源を切った状態の外付けHDDであっても起動中のMacに接続することは厳禁です。

 

物理的な位置関係をかえてみる

OSの起動は、毎回起動時にPRAM情報から起動ボリュームが指定れて開始されますが、PRAMがいったんクリアされてしまうと「SCSI ID番号の大きい順」にシステムフォルダをさがし、見つかればそこから起動することになっています。このことをふまえて、各機器のSCSI IDを変更することで解決できることもあります

また、とりあえず使わないSCSI機器をはずしてみたり、ロジックボードからの物理的な位置関係(デージーチェーンの接続順)を変更してみたりすることも有効です。

 

良質なケーブルを使って短く配線

SCSI規格では18本の信号線がほぼ同時にON-OFFしなければなりませんが、品質の良くないケーブルでは信号がなまったり(信号のかどが丸くなって「1」と「0」の区分けがはっきりしない)、良質なものでも伝達距離が長くなると18ラインの信号到達に微小な差が生じるなど、電気信号的な問題で動作が不安定になることがあります。

めったに使わないSCSI機器は取り外し、1mを超える長さのSCSIケーブルは極力使わないことが大切です。動作がおかしいときは接続ケーブルを取り替えてみます。ほかのインターフェースケーブルよりもシビアであることを肝に銘じます。

外付けHDDのSCSIドライブをSE/30内蔵用に転用する 〜 ターミネーションはどうする?  〜

外付けHDDから中身のSCSIハードディスクを取り出し、Macの内蔵SCSIドライブとして転用する場合には内部SCSIバス用のターミネータ(終端抵抗)の確認が必要となります。

ほとんどのSCSIのハードディスクドライブ(内蔵用)は制御基板内にターミネーションするための機能がついているのですが、外付けHDD装置ではあえて内蔵ドライブの制御基板内のターミネーションを無効状態にして、独立したDIPスイッチでONにさせたり、別売りのアクティブタイプのターミネータをつけられるようにしています。

こうしたほうが複数の外付けSCSI機器をつなぐ場合に、各機器のターミネータの有無が外観から判別しやすいからです

 * * 

一方で、設計時から制御基板内のターミネータを非実装にしている内蔵用ハードディスクも存在します。

この内蔵用ハードディスクは、Macの内蔵用として使うためにはターミネータを自作しなければならなくなりますので、購入前にマニュアルで確認するようにしてください。

つまり外付けSCSIドライブから内蔵への転用」のケースでは、ターミネーションをONに設定する必要がある可能性が高いのですが、50ピン、68ピンタイプのSCSI-HDDのほとんどの場合仕様書・マニュアルを調べて「ターミネーション用の設定ピンやスイッチでONにすることで解決できます。

SCSIドライブの場合、Seagate製やIBM製では、古いモデルでもネット上に詳しい仕様書やマニュアルが多数存在しますが、見つからない場合はこちらを参考にします。

もし、設定やスイッチがなかったり、マニュアルがない場合は、内部貫通用」タイプのターミネータをHDD側のコネクタとSCSIケーブルコネクタの中間に入れればOKです。

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東芝製Mac用SCSIハードディスク

Quantum製Mac用SCSIハードディスク

Macの内蔵HDDは最初からターミネーションされている

Apple純正の内蔵HDDははじめからターミネータが「ON」の状態になっています。また、サード製のApple内蔵HDDにも必ずターミネータかターミネーション用の設定ピンやスイッチが存在します。実物の基板類に記載がない場合は、メーカーのデータシートを確認してください

通常、MacユーザーのほとんどはMac本体にHDDを内蔵した状態で使っています。内蔵HDDはSCSIバスの「最初の機器」であり、実際にはMac用は各メーカーによってすでにターミネーションされています。

外付けHDDドライブを内蔵用に転用してもSCSI ID番号は必ずしも「0」に変更する必要はありませんが、外部SCSI機器と番号が重複する場合や、起動ドライブの優先順位を変えたい場合に変更します

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