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2024.7.14 最終確認 |
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SE/30の+5V電源は実負荷状態で、Macintosh ファミリーハードウェア情報 Power P.259に記述の通り、4.85V〜5.20Vが供給されなければなりません。
SE/30は、実負荷時(HDDとロジックボードが通電した状態)に+4.60V未満だと画面が真っ暗で起動できません。(当店実測) CPUが動作して、HDDやフロッピーが読み書きして全負荷になったときにこの電圧値が確保されていなければ、Macは正常に動作できません。 一般のACダプタと同じように、電源ユニットは無負荷の状態では10%以上高い電圧になっています。 ところが、年数を経たSE/30は無負荷でも+5.0Vを超えるものは半分以下しかありません。 これではシマシマックの原因になるだけではなく、PDS増設カード類も満足にドライブできません。
SONY製CR-44 出力電圧の調整方法 SE/30で一番電圧を測りやすいのはHDDの4P電源コネクタの+12V(オレンジ)と+5V(赤)です。12V側は5V側に連動するので、5Vのほうだけ調整します。 +5Vの端子をテスターで測りながら+5.25V(無負荷状態で)になるように調整します。 調整箇所は、SONY製CR-44電源ユニットでは以下の写真の青いボリュームRV251です。(ボリューム調整は「ゆっくり回す」が大事です) |
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SONY製CR-44 電源ユニットの黄色い点線枠の青いボリュームRV251(1kΩ)で調整 |
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手持ちの電源ユニットでは、無負荷(ほかに無接続)でこのボリュームが左いっぱいのときに+4.4V、右いっぱいにまわして+5.5Vでした。 ドライバーで+5.25VになるようにボリュームRV251を調整したとき12V側は+13.72Vでした。 無負荷で+5.25Vにしておけば、実負荷では5.1V前後となり、さらに増設カードなどでより大きな負荷がかかっても、それを超えることはありません。 電源電圧調整ができるのは SONY製とSGP製で、ASTEC製の電源ユニットには調整ボリュームがありません。
SONY製CR-44 ボリュームRV251でも十分な電圧に上げられない場合の対処方法(2021.6.21追加、同10.29修正) 当店のCR-44電源ユニットのうちのひとつが、実負荷(アナログボードとロジックボードに接続)で最大+4.30Vまでしか調整できないものがありました。実負荷で+4.5VがSE/30が起動できるかどうかの分岐点ですので、+4.30Vでは画面さえ真っ暗で+12Vによる冷却ファンしか回転しません。 電圧コントロールIC側の抵抗値はRV251とその隣に直列に入っているR278(1.8KΩ=写真の青いボリュームの左側、コード茶灰赤)の2つで構成され、RV251が右いっぱい(=0Ω)でのときはR278(1.8KΩ)だけですから、これでも抵抗値が大きすぎるということになります。 R278をより小さな1KΩあたりに交換してもよいですが、一番手っ取り早いのは基板裏側から1.8KΩ(1.5K〜2KΩぐらいでも可)をR278に並列に入れる方法です。並列に1.8KだとR278は0.9KΩになります。 RV251を左いっぱいにもどしてから電源を入れ、無負荷で+6.0Vぐらい出ているのを確認してから実負荷で+5V付近になるよう最終調整します。 * AcBel製 SGP製(Appleシンガポール製)も電源電圧調整が可能ですが、上記の固定抵抗部分を加減させる手法は通用しませんでした。SONY製が固定抵抗値を変えることで出力電圧のベース電圧にゲタをはかせて通常のボリューム出力部分を上昇させるのに対し、SGP製のボリュームはSONY製のそれとは役割が異なるようです。 つまり、PDS増設カードなどを見据えた「ちゃんとした電源ユニット」はSONY製CR-44電源ユニットだけということのようです。 後述の「なんちゃって強化電源ユニット」と同じ仕組みでかつて販売された(いまも受注しているかも)Artmix社の「SE/30強化電源ユニット2009」は、本ページ後述のように、「+5V電源電圧を内部可変」できるメーカーの電源ユニットを採用しているなら+5.0V前後の出力は問題ないと思いますが、出力電圧の内部調整ができない電源ユニットを採用しているなら、+5V電源の出力電源電圧は実負荷時には、SE/30にとっての最低ライン(起動を含めて)ぎりぎりしか出せない可能性があります。 そういう意味でも、可変抵抗(最悪でも固定抵抗で調整可)で+5.0Vを確保できるSONY製CR-44電源ユニットは、SE/30ユーザーにとって頼れるほぼ唯一の電源といってもいいのではないでしょうか。(使用中の電源ユニットがSONY製でない方は、入手しておきましょう。) |
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【重要】劣化したロジックボードでは、電源ユニットの出力電圧は低くなる (2021.11.22記事追加) 無負荷状態で測っても、実負荷状態で測っても4.8Vレベルよりももっと高い電圧が出力されるSE/30電源ユニットを、別の(筆者が当時新品購入した)SE/30に装着すると、特に実負荷状態での電圧が4.6V前後まで落ちる経験をしました。(4.6Vでは途中で再起動になり起動そのものも危うい) * 40年以上前の電子回路の授業の講義がよみがえりました。 電源と負荷(電気回路)において、理想電源とは負荷側から見たときにインピーダンス(内部抵抗)が限りなくゼロに近いもの。理想負荷とは、電源から見たときにインピーダンスが高いものがいいのですが、実際はノイズ対策をふくめて調整されます。 ちょうどオーディオアンプの回路に凝っていた時期で、アンプの入力インピーダンスと出力インピーダンスの原理と同じだと納得した記憶があります。 同じ内部インピーダンスを持つ電源に、別々の2種類AとBの負荷をつないだとき、Aの負荷の両端の電圧が低いということはAのインピーダンスのほうがBよりも低いということになります。負荷をロジックボードに置き換えて考えると、同じ電源ユニットをつないでいるのに低い電圧しか出ないのは、新品時よりもインピーダンスが下がっているということになります。 インピーダンスが下がっている原因は「経年劣化」のひとことに集約されると考えます。 同じ値の抵抗を2本並列につなぐと、合成抵抗(インピーダンス)は半分になります。 純水は電気を通さない絶縁体ですが、不純物が混じるふつうの水道水は電気を通します。 つまり漏れた電解液が付着したままで、さらにホコリが吸着したら水道水の不純物のようにホコリがインピーダンスを下げますし、半導体の組成なども経年の熱によって変質しますし、そのほか紫外線によって組成が変化する部品も考えられます。基板の配線パターンの銅はくも酸化して単位体積あたりの固有抵抗値が大きくなることも十分に考えられます。 製造後30年を経過して使われているロジックボードでは、こうしたインピーダンスが大きくなる要因、逆に小さくなる要因が複雑に絡み合って、トータルとしては「理想負荷とは反対方向に劣化している=全体のインピーダンスが下がっている」というのが筆者の考えです。 * この部分の考察が正しいかどうかは別の議論として、少なくともSE/30の電源ユニットが正常電圧であり、または後述のATX電源をつかった5Vを確実に出せる強化電源であったとしても、同一電源ユニットにつなぐロジックボードによって、ロジックボードの+5V端子、+12V端子に現れる電圧が異なるという事実があるということです。 別のいい方をすると、いくら電源ユニットを強化しても劣化したロジックボードにたいしては、起動に十分な電圧をもつ+5V電源にはならないということになります。 FDDとHDD駆動だけでも+5V電圧がぎりぎりの場合は、PDSスロットでカードを使用すると「+5V端子」の電圧はさらに下がりSE/30そのものが起動できません。 そこで、PDSカードを2枚同時使用可能な当店オリジナル商品のDual PDS アダプタでは、(オプションの)+5V/+12Vの外部入力電源ユニットを装着して2枚のPDSカードの使用電力をまかなうようにして、SE/30の電源ユニットに99%負荷をかけないようにしています。なので、ロジックボードの+5V端子がギリギリの4.6Vしか出ていなくても、PDSバスの+5V端子にはカッチリ+5.0Vが供給されます。 |
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【重要】電源経路の接続ケーブルの太さに注意 (2024.7.13記事追加) ロジックボードへの+5V電源供給については、ロジックボードの劣化(パターン経路と各デバイスの劣化をふくむ)以外にも、実際の供給電圧を低下させる接続ケーブル自体の損失にも注意が必要です。 電源ユニットの基板からアナログボードに出ている10ピン出力ケーブルと、ロジックボードとアナログボードをつなぐ14ピンケーブルは、経年でも劣化して損失が増えるので、新規製作する機会があれば、AWG18規格(コネクタの圧着端子に使用できる最大サイズ)の新品ケーブルに取り替えましょう。 ちなみに純正(AWG22)の20cm・14ピンケーブルで5.01Vの出力電圧(実負荷)が、実験用に長目の60cmケーブルに変更した場合 60cm(AWG20)場合 -0.05V落ちの 4.96V であることから、さらに太いAWG18ケーブル・60cmなら電線固有の固体抵抗値がAWG20の63%であることから、 60cm(AWG18)場合 -0.03V落ちの 4.98V とわずかながらでも改善になることが推測されます。
一方、数年前に製作した2m・14ピンケーブルでは純正ケーブルに継ぎ足した線経が不明のもので、5.01Vの出力電圧(実負荷)は 200cmケーブルの場合 -0.2V落ちの 4.81V と、これではすでにSE/30用の規定電圧範囲以下にまで落ちています。 * このように、+5V電源においては、わずか0.数ボルトの経路損失でも正常動作に影響が出てくるので、接続ケーブルは線材のほかに、コンタクトが電解液で腐食していないかなど、細部にわたって確認することが重要です。 |
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Repair Mac サイトのその5に、CR4とCR7の短絡故障を追加します。 ここでCR7は、GIF形式の(公式)回路図には出ていませんが、R24とCR4を接続する直線部分がすっぽりCR7に置き換わったものです。 |
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C15 (3.9 uF, 35 V、摂氏85度、高周波 (HF)の無極性 (NP)電解コンデンサ)か、またはELEC.CONEPTS社製メタライズドポリカーボネートコンデンサ5MC- 9931K (3.9 uF, 100V)ですが、この「高周波」「高リプル」「無極性」の3条件を満たす電解コンデンサは現在どのメーカーも製造していません。また電解コンデンサは経年で自然と「容量抜け」しますので何十年も前に製造された在庫品を入手したとしても(性能的に)あやしいものです。 無極性で耐圧が合っていればあればいいということでもありません。単純な直流電源回路に使うのではなく交流分を含むCRTの偏向ヨークの出力用ですので、きちんとそういう用途(耐高振動)に設計されたコンデンサを選択することが必要です。 入手方法については、 無極性電解コンデンサ SPRAGUE製(現在はVishay)のTVAシリーズ (eBayなどから) フィルムコンデンサ ELEC.CONEPTS製 5MC- 9931K (eBayなどから) フィルムコンデンサで置き換える場合は、Classicシリーズの例から400V以上の耐圧のものを使った方がいいと考えられます。 |
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手持ちの電源ユニットの1台が、本来+5Vの出力端子が、電解コンデンサを新品にして前項の調整ボリュームをまわしても、直列に入っている固定抵抗を変更しても、アナログ/ロジックボードをつないだ状態で最大+4.87V(無負荷で+5.16V)までしか上がらず、電源を入れても「画面が真っ暗」だったので、かねてより購入準備しておいた、Windows用Flex ATX電源を移植することにしました。 手持ちのSE/30は負荷状態で+4.95V以上はないと、安定した動作 +4.60V以上ないと起動にはならないようです。(2021.9.27修正) SE/30用電源ユニットの修理に執念を燃やす方はともかく、普通になおればいいとか、増設PDSカードの使用などで+4.95V以上の安定した電源供給が必要ということなら、市販の200-250WクラスのFlex ATX電源の中身を移植すれば簡単に解決します。 まず、オリジナルSE/30用電源ユニットの出力概要です。 |
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SE/30 は75W電源(公式Service Guide に記載。Guide to the Macintosh Family Hardware では定格76W、ピーク値142Wとなっています)と、いまでは考えられないくらい小電力です。 SE/30 の電源ユニットは前方部分が傾斜し、スイッチ部分のお尻が出っ張るという変則形状ですが、傾斜とスイッチ部分を除けば、このオリジナルケース内に 長方体を配置しようとすると、最大 幅147×高108×厚50mmサイズの長方体が完全に収まります。(さらに傾斜部分にも最小で幅40×高85×厚50mmの長方体空間が確保できます) * * 世界標準ともいえるWindows機のミドルタワー用ATX電源では、現在650W〜750Wクラスが一般的ですが、スリムモデルには400W程度までの小型のmicroATX用のSFX電源が使われています。(自作PCの場合は、ケースとセットになっているので単品売りは少ない) さらにmicroATX規格の派生であるFlexATX規格の電源は、立方体に近いSFX電源にくらべて形状が細長く、外装ケースの規格サイズが幅150×高81.5×厚40.5mmと、ケースのままでもSE/30電源ユニット内にそのまま収まるコンパクトさです。この中身の基板ユニットを移植することにしました。 Flex ATX電源は国内ではヤフオクなどで新品が入手可能ですが、筆者は新品電源ユニットの250Wモデルのファンつきを米国から輸入しました。(現地価格 2,800円ぐらい) |
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米国で売られているHP Pavilionシリーズ互換品 |
各出力とも余裕です |
ユニットを取り出したところ 出力電圧の電源調整用ボリュームがついていませんでした。 |
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製作の流れとポイント 115V/240V切換えスイッチを、そのままリード線で基板上に直結します。 Windows用のATX電源は緑色の「Power on」のラインがGNDに落ちることで、ATX電源の電源回路がONしてフル稼働する仕組みなので、24(20)ピンコネクタの16番の緑の線のランド(基板上の丸)をそのまま適当なリード線でGNDに直結します。(大きな電解コンデンサのマイナス端子など) 使わない+3.3V(橙)、+5V standby(紫)、Power good(灰)は基板から出ている線を短くカットします。(残った線の先端をテープなどで保護する) コネクタに配線する赤2本、黄2本、黒5本は、ATX電源ユニットからまとまって数本出ているうちのどれを使ってもかまいません。
出力コネクタの作り方は二通り。 (a)出力コネクタのワイヤーハーネスは10ピン用を新規製作 ハウジング(モレックス5557-10R)、メスコンタクト(モレックス5556TL)、かしめ工具(エンジニアPA-21、芯線1.9/被覆2.1) 作業中、配列を間違った場合は、ピン引き抜き工具(モレックス57031-6000)で引き抜く。(工具が高いので作り直すほうが賢明) (b)入手がめんどくさければ、SE/30オリジナル電源ユニットから出力コネクタ(10ピン)切り取って、ATX電源の相対するリード線に付け替え
【電源ユニットの実装手順】 1.6mm厚のグラスエポキシ基板(秋月650円)を元の純正ユニット基板と同じサイズにカットし、3本の3mmビスで外装ケース底部に固定します。 上記基板上に、Flex電源ユニット固定用の5mm高の樹脂スペーサー(秋月30円+ナット10円)を立てて、「親ガメ子ガメ」式で同ユニットを固定します。 電源スイッチから出た線を、もとの2P出力コネクタの手前でカットして、そこからリード線で延長して電源ユニット上のAC100V入力にハンダ直結します。 付属の小型冷却ファンは本来は外に向かって中の熱気を排出する向きなのですが、今回は、ファンの排気が直接機外に出るわけではないので、ファンの風を逆向けにして放熱部分に直接当てて、その熱が電源ユニットフレームのパンチングメタルの穴を上昇してアナログボードの排熱ファンで外に出るようにしました。 |
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SE/30 オリジナル電源のピンアサイン (アナログボード側コネクタ) |
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ATX電源に置き換えたピンアサイン (アナログボード側コネクタ) |
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純正電源ユニットではSweep用(赤)とDisk用(黄)の+12Vは個々に生成されていますが、本製作では+12V端子(黄)から共通取り出しですが問題なく動作します |
ガラスエポキシのユニバーサル基板にそのままFlex電源ユニットを適当にのせてビス止め |
発熱量もたいしてないが、どうせ余るのでファンを両面テープ止めで完成 |
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結果は◎ 出力電圧は、+5V端子が +5.04V (無負荷時 +5.21V)、+12V端子が +12.30V (無負荷時 +12.49V)でした。画面の揺れもありませんでした。 当店にはLANカードとビデオカードしかなく、負荷が大きいアクセラレータがないので、この電源ユニットがどの程度のパフォーマンスなのかよくわかりませんし、今後検証するつもりもありません。 付属の冷却ファンは除去したのではなく逆向きに配置しただけなので、冷却の効果は一定限確保されていると考えられるので、仮に排熱効果が落ちてしまったとしても話八割としても250×0.8=200 [w]は出るだろうと思いますし、一般論として風の向きだけで30%も電源効率が落ちるとは考えにくく、対流による全体の排熱ではなくむしろ熱源に直接風で冷却するほうが、熱源(Power MOSFETと放熱器)への冷却効果は高いと考えます。 もちろん電源ユニット内部全体の熱量についても、SE/30電源ユニット内の空間はほどんど隙間だらけのうえ、その上方に位置するアナログボードの排熱ファンによる対流排熱もあるので、常時200W超のような使い方でない限り、問題を生ずることはないはずです。 (定格250Wと謳う電源ユニットが200Wも確保できないでは、PCをまともに駆動できません) |
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+12V sweep について オリジナルSONYの回路図を読まれた方はすでにお気づきのことと思いますが、本記事では+12V sweep(アナログボードのビーム走査用電源)とハードディスク用の+12V Disk電源を、まったく区別せずに同じ基板上の出力ポイントから取り出しています。 +12V sweep 電源は、この電源をもとに水平走査駆動電圧、垂直走査駆動電圧が生成されるために安定度が求められます。この電圧が不安定だと、512×342ドットの長方形のMacの画面がゆらいだり、変形してしまいます。 オリジナルのSE/30(SE)の電源ユニット内部では+12Vの生成回路を2系統とし、+12V sweep 系統のみ、安定化のために後段にはSONY製ではサンケンSI-3122、SGP製ではリニアテクノロジーLT1086CT-12の3端子レギュレータ(12V)を使用しています。(Disk 系統にはレギュレータは不使用) 本製作においても、別途、5V-12V昇圧型のDC-DCコンバータ基板(ストロベリーリナックス#16188または#12340)を、Flex ATXの+5V出力の後段に入れてから安定化された+12Vを出力10ピンコネクタの10番に入れようと考えましたが、1989年製のオリジナル電源ユニットとちがって、今回使用する電源ユニットは電源の安定供給を求められるCore i 時代の商品ですので、いずれの電圧出力も十分に安定化されていると判断し、最終的に、同じ+12V出力部分からそのまま2系統を取出す「共通取り出し」として、レギュレータは追加しませんでした。 |
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なんちゃって... 「・・・の製作」と銘打つにはおこがましすぎるほど超簡単な手抜き製作なので、「なんちゃって・・・の製作」と題しましたが、それでも内容的には現行生産品の電源ユニット(統合コントローラーはHS8108)の「改造なしの移植」ですので、「SE/30強化電源○.○万円」となんら遜色のないハイパフォーマンスに仕上がっているのではないかと思います。 ユニバーサル基板のカット用にホーザン製の基板カッターK-110、ネジ穴あけ用に電動ドリルなど、それなりに工具が手元にあるので、ほとんど苦労なく完成しました。 ユニバーサル基板でベースを作ってスペーサーでそのうえに既成のユニットを載せる「親ガメ子ガメ」方式は、ベース部分をアルミ板などの金属で加工する場合に比べて、金ノコやカッターナイフでの加工も比較的容易で、ヤスリで簡単に修正でき、1.6mmと適度な厚みをもち、そのままガイドラインとして使える基板の整列されたスルーホールが、曲がりのないきれいな配置作業を補助するなどメリットは多彩です。 全材料費は航空運賃などをふくめて6,000円ぐらいでしたが、久しぶりの楽しい工作の2日間(正味5時間ぐらい)でした。 |
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