丸真商店

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特記なきはすべて新品商品
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2022.11.19 最終確認

フロッピードライブを修理する

SE/30の純正フロッピードライブは、「シャッターなしタイプ」と呼ばれます。(後続で発売されたデスクトップ用のドライブが三菱製で防塵用の挿入口シャッター付きであることとの比較によります)

     SONY MODEL MP-F75W-01G 2MB、12V、5V、I/F 20ピン=Apple独自規格)

互換性

当店のSE/30のFDDは昔読み込めなくなったときに、エレクトリックパーツ高知さんにお願いして秋葉原エレクトリックパーツが販売していた新品を取り寄せたもので、型番は 「MP-F75W-12G」でした。ほかに「-11G」「-12G」も使えます。LCシリーズやClassicシリーズとも互換性があります。

ただし、Color ClassicシリーズのMP-F75-31Gについては、SE/30に内蔵して読み書きできますが、たまたまの個体差なのか、ディスクによっては初期化が要求されたり読み出ししづらいものがあり、当店としては「Color ClassicシリーズのMP-F75-31GドライブのSE/30およびSEのFDHDモデルへの互換性については不明」としております(2020.7.28変更追記)。

保守(注油)

構造が簡単になっている現在のUSBタイプのFDDに比べ純正FDDはまさに金属メカのかたまりです。そのディスクのローディング&EJECTメカニズムは、SONYのベータマックスビデオデッキのテープローディングを彷彿させてくれます。(少しほめすぎました)

ダイレクトドライブ(DD)モーター駆動ですので、PC98やワープロ専用機のFDDのように駆動ゴムベルトが劣化して回転しなくなるということはありませんが、潤滑用のグリスが経年劣化し粘度が上がることでディスクがスムーズに着脱できなくなったり、最悪フロッピーが中に入ったまま取り出せなくなったりします。

    (1)ヘッドの位置を制御するギアモーターのギアグリス

    (2)着脱の動きを伝える金属メカニズムの支点や摺動部分のグリス

 

きちんと整備するには、やはり完全分解して洗浄し古いグリス成分を一掃してから注油(グリスアップ)するのが基本です

そこまでしなくても、応急処置レベルで簡単に注油するだけでもずいぶん効果は上がります。

 

(1)は目視で固形化している場合のみ、無水アルコールでギア軸の固形物を拭き取ります。

(2)は、できる範囲で褶動部分の古いグリスを除去すれば十分です。

どちらも清掃後の注油は、粘度の少し高いものを使わないと、CRC5-56やミシン油程度のさらさらのものではFDD内に飛散、流れ出しのおそれがあります。ギアグリスは模型などで使うものまた(2)用は歯みがきとまではいかなくてもそれに近いものを少量使います。(付け過ぎは禁物)

 

いちど覚えると完全分解は簡単

完全分解といっても、上下のヘッドユニットと、移動用のモーターメカニズムには触らないのが無難です。

完全分解には、バネのフックをはずす「スプリングフック エンジニア製SS-21」があれば便利です。(なくてもバネは飛んでいかないようになっています)

上部のローディングメカをレバー操作して強制的に「(実際にはFDなしの)疑似セット状態」にしてから左右のスプリングをはずヘッドを軽く持ち上げながら(ヘッド持ち上げ保持用の)樹脂板をはずし、(入り口方向から見て)上部メカの左側の噛み合わせ部分を下部のスライダー板を前後させながらうまく上方に取りはずせば、右側は簡単にはずれます。

  

これを言葉や図で示すのはたいへんなので、YouTubeで「Mac Floppy Repair」などで検索してください。

タイトル「Repairing and Restoring a Vintage Macintosh Floppy Drive」あたりが、おすすめの動画です。(コピペでYouTube検索)

下部のスライダー板は、「ポリスライダー」と呼ばれる4つのワッシャーを、ラジオペンチで引きはがせば完全分解できます。

ポリスライダーはラジオペンチの先端で均等に押し付けることで再セットできます。(紛失した場合は廣杉計器LLC-2506-02で代用可

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SONY MP-F75W-01G

ヘッド位置移動用のギアモーター

フロッピーの読み書きができない場合の清掃方法 (簡略方法)

本来は、上部の金属メカ部分をそっくりはずしてから、ヘッドを無水アルコール清掃するのがベストなのですが、分解せずに清掃する方法を紹介します

店内の2個のストックFDDも、FD起動では吐き出されていたのが、きちんと読み書きできるように復活しました。市販のフロッピー式の湿式/乾式クリーナーよりは、綿棒とアルコールのほうが汚れを落とす力がしっかり伝わると思います。故障したらいやなので市販のフロッピー式をMacには使ったことがありませんが、Windows機や昔の高級CDプレーヤなどでも綿棒の勝ちです。

アルコール清掃時の最大の注意点は、「上側のヘッドクリーニングのときに、ヘッドを持ち上げてはいけない」ということです。

FDDユニットは左右のバネ1個で上下分割もできますが、そのまま分割せずに作業する方が無難です。

下側のヘッドはFD本体フレームに直付けですが、上側ヘッドとディスク面との間隔はたった1枚のうすい銅板の曲げ角で決められていて、上側ヘッドを持ち上げると銅板が変形してしまうので、綿棒を側面の隙間から挿入して清掃します。銅板が変形するとヘッドと記録面との間隔が狂ってしまい読み書きできなくなります。

綿棒に力を入れるといっても慎重さが大事で、特に上側ヘッドの場合は、反対の手でヘッドが持ち上がらないように軽く押さえて作業します。

クリーニングしても読み書きの不具合が改善しない場合は、FDD交換となります。互換型番品の入手やeBay購入のほか、下記に紹介するFPGA技術による「Macintosh Floppy Emu」なども注目です。

 

【注意】フロッピーケーブルの長さは20センチ以下で使う

筆者は各種テストのため、標準の15センチケーブルではなく、30センチの自作ケーブルを使用していますが、フロッピーの読み書き信号はパラレル信号ですので、磁化力の低下した起動用フロッピーディスクをうまく読み込めず、吐き出してしまうことがよくあります。長い方が使いやすいのですが、長くても20センチ程度にしておくのが無難です。

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清掃用の綿棒は手前のすき間から入れます

上側ヘッドを下方向から綿棒でふくときにヘッドが動かないように、あいている手で軽く押さえます

フロッピーの取り出し(EJECT)ができない場合  その1.第一駆動ギア欠けの場合

正常に認識し読み書きできるのにシステム終了やイジェクトしようとすると「ウ〜ン、ウ〜ン」とうなるだけで排出されない場合はEJECT用モーターユニットの不良です。

SONY製のFDDは、EJECT用モーターユニット内の第一プラスチックギアが経年劣化で歯が欠けたり、ギアそのものが割れたりしてモーターの駆動力を伝達できない個体が増えています。第二プラスチックギア以降は樹脂の材質が異なるため問題なく、第一プラスチックギアだけが要交換というケースが多いです。

当店では3Dプリンタで製作された強化プラスチック製の「第一プラスチックギア」(新品・米国製)を提供します。これからも長くFDDを維持することができますし、FDDが読み書きできなくなった場合でも他の取り出し不良のFDDにこのギアだけを移植すればいいので、ほぼ一生ものです。

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ギア自体の「割れ」

歯車の破損

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OldMac用FDD第一プラスチックギア  

フロッピーの取り出し(EJECT)ができない場合  その2.排出モーター故障の場合

システム終了時に「ウ〜ン」とうなることなく、フロッピーが出てこずにシステム終了画面になってしまう場合は、排出モーターそのもの(R2DG-38)が動作していません。

普通なら排出モーターユニットごと交換となるところですが、どうせならダメもとで修理してしまいましょう。

 

まずはDC直流モーターの動作原理です。

ネットで「モーター 原理」で検索してください。「直流モーター わかりやすい高校物理の部屋」の記述が秀逸です。

排出モーターが回らないのは、ブラシの部分にカーボンのカスがこびりついて電気を通さないためです。

分解して、こびりついたカーボンを除去します。

 

排出モーターのブラシの清掃方法

 (1)排出第2駆動ギアに続いて排出第1駆動ギアを慎重にはずします

 ()排出モータユニットから排出モーターを取り出します

 ()万力(バイス)にセットして、金具の爪をはずします。爪は垂直になるようあとでラジオペンチで修正しておきます

 ()エンドベル(黒い樹脂部分)を慎重に引き上げます

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バイスにセットすると作業が簡単

上下の2つの爪を垂直に立てると取れます

 ()製品ラベルをはがします

 ()ピンセットにエタノールをつけてカーボン部分を軽くこすって削り落とします(極めて慎重に!)

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整流子の接点にこびりついているカーボンが絶縁の原因

ピンセットの先端で両ブラシを開いた状態でキープしたまま、元の位置へ

 ()エンドベル取り付け時は、開いている2カ所の穴に細いピンセット(エンジニア製PT-16)をさしこみ、「左まわり」に回して2つのブラシの間隔を

   (整流子の直径以上に)広げた状態で元の位置にセットします。金属の爪は曲げなくても、テープなどでエンドベルを金属ケースに固定すれば問題あ

   りません

あとは逆の順番で取り付けます。

フロッピーの取り出し(EJECT)ができない場合  その3.EJECT用モーターユニットをそっくり交換

ギアの購入はしたくないし、排出モーターの分解は難しそうと思える場合は、EJECT用モーターユニットごとそっくり交換するのがもっとも簡単です。

    2DDフロッピー(800KB)ドライブ(ソニー製MP-F51W*) = OMRON製R2DG-31モーター採用

    2HDフロッピー(1.4MB)ドライブ(ソニー製MP-F75W-01G、-11G、-12G) = OMRON製R2DG-38モーター採用

    ColorClassicシリーズ用 2HDドライブ(ソニー製MP-F75W-31G) = 台湾・SANWA製MMG-7モーター採用

 

外観が多少異なっていても512K、Plus、SE、ClassicI,II、QuadraなどのOMRON製、および台湾・SANWA製のEJECT用モーターは取付け寸法と電気的動作において完全互換がありますので、ユニット全体でそのまま取り替え交換が可能です。

   512K、Plus、SE 用 2DDフロッピー(800KB)ドライブ型番 = ソニー製 MP-F51W、MP-F51W-03,MP-F51W-23、

                                      MFD-51W-03、MFD-51W23 

   SE/30、Classicシリーズ用 2HDフロッピー(1.4MB)ドライブ型番 = ソニー製 MP-F75W-01G、MP-F75W-11G、MP-F75W-12G

   Color Classicシリーズ用 2HDフロッピー(1.4MB)ドライブ型番 = ソニー製 MP-F75W-31G(内部の第一駆動ギアは別番号の部品になっています)

 

Plus用 2DDフロッピードライブ(MP-F51W)のEJECT用モーターユニットには、(SEやSE/30以降に採用されている)プリント基板にリン青銅の安価な板バネを取り付けただけのON-OFFスイッチではなくちゃんとした「マイクロスイッチ」が使われています(左下の写真の黄色枠)

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SE/30用FDDのEJECTモーターユニットを装着したところ(右側がもとのPlus用EJECTモーターユニット)

コンパクトMacには、三菱製MF355Fフロッピードライブも使える

Macintoshに標準装備されたFDDは形状から大別して、68040機までに使われた分厚いソニー製のMP-F51WおよびMP-F75Wタイプと、PowerMacintosh以降に使われた薄型の三菱MF355Fおよびソニー製MPF52Aに分かれます。

このうち、ソニー製MPF52Aだけが、いまのところ動作確認試験ではSE/30で2HDフロッピーを認識しない(2DDは認識する)という点でとりあえず除外として、三菱MF355FはSE/30では2DD/2HDの両方、Macintosh Plusでも2DDフロッピーを扱えることが確認されました。

第一世代Power Macintosh用のFDDとして登場した三菱MF355F-****は、それまでのMP-F51WおよびF75Wと異なって、排出用の駆動ギアが経年で歯欠けするということがありません。

代用できるといっても、当然サイズが違うためFDDマウンタにセットできませんので、コンパクトMacの外装ケースをはずしたまま裸でドライブを使うことになります。(当店オリジナル商品の「No.6110 外付けFDDポート出力ケーブルセット」を使えば、外付けFDDとして使えます)

 

【注意】

上記4モデルとも20ピンのフラットケーブル接続ですが、Plus に2HD対応のMP-F75WまたはMF355Fを接続して、2DD(800KB)ドライブとして使う際には、フラットケーブルの9番と20番の結線を切断しておく必要があります。

またMP-F75WまたはMF355Fを、Plus や2DD× 2台モデルのSEに接続しても、2HDフロッピーは認識しません。

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三菱 MF355F-****

ソニー MPF52A

No.6110 外付けFDDポート出力ケーブルセット

2DDフロッピーディスクを作る方法 〜 1 分間クッキング 〜

2HD非対応の2DDフロッピードライブのSEやPlusユーザーだけでなく、2HDドライブのユーザーにとってもいざというとにき必要になるのが2DDフロッピーディスク。いわゆるMac用800KBフロッピーですね。

 

2HDフロッピーディスクを2DDに変身させる方法はこちらへ移動しました。

Mac用フロッピー ドライブ エミュレーター「Macintosh Floppy Emu」
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内蔵でも外付けでも400K/800Kでも使える 1.4MB ドライブエミュレーター (写真はmodel Aのものです)

 「Macintosh Floppy Emu model B」$ 109.00 (送料込みで日本まで$124.25) (背面コネクタ接続用19ピンケーブル、内蔵用20ピンケーブルつき)

       (当店では販売しておりません)

当店もこんなすばらしい製品をいつか世に送り出したいと、そう思わせてくれる見事な仕事です。

当サイトで初めて紹介した2013年当時は、部品リストやXilinx社のCPLDで自作するためのソースコードが無償公開されていたので、同じものを自分で作られた方がたくさんいるようです。(当店にはソースコードは残っていますが、部品リストはありません)

【製品の概要

 ■ フロッピーディスクのかわりにSDカードを使用

 ■ Mac用の400K/800K/1.4MBのフロッピードライブをエミュレーション(Mac本体の対応の範囲)

 ■ ドライバー類不要

 ■ 接続方法は3種類

   (1)付属の20ピンフラットケーブルで内部FDDポートにつなぎ内蔵FDDとして(マウンタ類はない)

   (2)付属の19ピンフラットケーブルで背面のDSub19ピンコネクタにつなぎ外付けFDDとして

   (3)ケーブルなしでも背面のDSub19ピンコネクタにボードごと直接接続可

 ■ 既存のフロッピードライブと併存可

 ■ フロッピーから起動可

 ■ 「Apple HD-20エミュレーション」モードでSDHCカードがそのまま最大2GBの起動可能なHDDとして使える

  ただしIIx、IIcx、IIfx、SE/30 の4機種は、32bit ROMSIMM でないため、別途32bit ROMSIMM が必要です。

  同社で販売もしています。

   Mac ROM-inator II

     http://www.bigmessowires.com/mac-rom-inator-ii/

 開発者のサイトはこちら。注文もこちらから。(すぐにSold Out になりますが、だいたいの次回受注予定も記載されています。)

     http://www.bigmessowires.com/macintosh-floppy-emu

 

開発者はこの商品を製作して販売するだけでなく、購入者がさらにもう一台分自作することを許可し、この製品のプリント基板設計データ(基板製造メーカーに渡すだけで同じものをつくってくれるガーバーデータ)、部品名と購入先URLリスト、そして回路基板の主役であるCPLD(CPUみたいなもの)を動作させるプログラムのソースまで公開してくれています。

許可の条件は「非営利目的で、製品や改造パッチコードを作ってもいいがeBayで売るな!」だけです。なんという度量のある開発者でしょうか。

 

これがあれば漢字Talk7.1の26枚のフロッピーも、FDDもCDDなしでもインストールできます。

フロッピードライブのエミュレータですからフロッピードライブ」モードでは1.4MBを超えるファイルサイズはあつかないものと思われます。SDカードに保存できるということは、USBメモリのようにMac以外の環境でもファイルが保存ができるということだと解釈しておりますが、推測の域を出ません。まだ上記サイトをきちんと読み込んで完全に理解しておりませんので、細部は直接開発者に連絡してください。

 

SE/30でのApple HD-20エミュレーションモード」非対応が解消

ノーマルなIIx、IIcx、IIfx、SE/30 のROMMSIMMではApple HD20 がサポートされておらず、本機を使用しても「HD-20エミュレーション」には対応していませんでしたが、同社から発売されている32bitクリーン用のMac ROM-inator II ($36.00) を追加購入で対応できるようになりました。(IIsiなどの64ピン 32bit のROMSIMMをSE/30に装着する手もあるようですが)

     http://www.bigmessowires.com/mac-rom-inator-ii

さらに上位バージョンのMac ROM-inator II MEGA($59.00) ではSystem7.1が内蔵され、ClassicのようにROMから起動できるようになります。

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