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2017.7.28 最終確認 |
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2003 年発売のDynabook EX/522* シリーズは、液晶ヒンジの固定金具に構造的強度の問題があって損傷しやすくプラスチックのカバーまではずれてしまいますが、メーカー修理期間中はこれを保証期間経過後であっても実際には無償交換していたようです。その構造を見ればどう見ても欠陥設計なので無償交換も当然といえば当然...。 ところが今はメーカーの修理期間が終了したため、自力で治すしかありません。もちろん欠陥設計部品をいくらジャンク入手しても根本解決にはなりませんので、ここは改造修理で完璧に修理します。 構造としてはマザーボードの下にある本体側ヒンジ部分と、液晶パネル内にある液晶側ヒンジ部分をリベット止めして1つのヒンジが構成されています。したがってこのリベット止めの部分に液晶パネルの開閉時に負荷がかかり、やがて金属疲労でリベットの押さえ部分が破断しヒンジが2つに割れて液晶パネルが自立できなくなるのです。 |
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右側のヒンジ(本体キーボードしたにある)を本体奥側から撮影。四角内が本体側ヒンジのリベット部分に穴をあけたところ。 |
穴開けしたリベット部分を拡大。(少し中心からそれてしまった) |
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本来のリベット止めにもっと強度があれば問題ないわけで、当店の修理では確実に強度を持続させるため、「リベット止め」を「ボルトナット止め」に変更します。 といってもこのリベットはヒンジの一部でもあり一体構造なので取り外しができないため、リベット軸に鉛直方向に3.2 φの穴をあけ、この穴の底側から上向きに3mm ボルトを逆さに突き出し、そこに液晶パネル側のリベット穴を通します。 穴の底側からボルトを差し込む理由は、もともとリベットが使われていたのが左の写真のナットの位置であり、すぐ頭上にあるヒンジの回転軸の先端(左端)がリベットに開けた穴の真上にまで張り出していて上側からボルトを差し込むことができないからです。 逆転の発想で、ここをボルトの頭にするのではなくナットを使います。長すぎてヒンジの回転軸に触れないようにボルトの長さを選択します。 |
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ヒンジ回転軸の下に3mm用ナットが見える。下側からのネジ止め。一番手前にあるのは見本用のボルト−ナットの組み合わせ。 |
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2004 年発売のDynabook VX/2W15 シリーズは、グラフィックチップにNVIDIA GeForce FXGo5200 を搭載しテレビ録画などの動画処理をセールスポイントにしたモデルです。ノートPCでテレビ録画や動画処理のためにグラフィック性能の確保手段として、従来デスクトップ用のグラフィックカードに使われてきたGPUチップを、マザーボード上に直接配置するようになったのがちょうどこのあたりの製品からです。 多くのノートPCでは、ハンダボールを使ってチップをマザーボードに固定する「BGAタイプ」のグラフィックチップが使われているのですが、BGAチップの実装技術がまだ未熟な2004年から2007年ぐらいのパソコンやプレステ3などのゲーム機、産業機器等では、BGAチップのハンダボールの破断が多く見受けられます。一般にいう「グラフィックチップの故障」とはLSIそのものの故障ではなく、そのハンダ付けの一部がはずれたというのがほとんどなのです。 Dynabook VX/2W15 シリーズではこのチップはがれが発生した場合、下の写真のようなシマ状の画像になります。 BGAチップの実装方法は、マザーボードに小さな金属ボールを混ぜ込んだクリーム状ハンダを塗布し、その上にBGAタイプのGPUチップを置き、マザーボードごと加熱してGPUチップの各ピンとマザーボードを金属ボールで接続するというものです。 したがって、元のGPUチップをそのまま再利用する場合の正式な修理方法は (1)BGAタイプのGPUチップを加熱してマザーボードからはずす (2)BGAタイプのGPUチップ(BGA チップ)のハンダを除去し、新しい金属ボールをのせる(リボール) (3)マザーボードにクリームハンダを塗布しBGA チップをのせて加熱 となります。この(1)〜(3)をまとめてリワークといいます。 チップ部品の実装、基板の生産を専門にやっている企業でリボール、リワークは受け付けてくれます。(個人相手は少ないですが) |
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グラフィックチップがおかしくなるとどういう訳かDynabook のロゴが出た直後にIDEエラーメッセージ「パソコンを起動すると”IDE # 0 ERROR”とメッセージが表示され起動できない」となります。このとき東芝サイトの説明どおり手順をふんでも解決しません。光学ドライブに関するレジストリ情報がうまく認識できず手作業で修正しなければならないことが多いようです。 グラフィックチップの問題と連動しているようなので、まずはグラフィックチップの修理が優先です。 |
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代表的なタテジマのビデオチップ不良画像。 |
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ネット上ではBGA チップをヒートガン(工業用ドライヤー)やピンポイントで加熱できるホットブロー装置を使って修理した記事が多く見受けられますが、当店ではそれらには否定的です。BGA チップ以外の部品であればそれらの使用は問題ないと考えます。とくに表面実装部品の取り外しやメモリスロットの再加熱には有用です。当店でもVX/2W15を4台、プレステ3でも4台、ヒートガンでやってみました。確かに処理したあと一ヶ月ぐらいはなんとか使えるようになりますが、必ず再発しました。個人で修理するぶんにはまた作業すればよいのですが、仕事としてはこのように再発の危険度がきわめて高いことは信用のうえで致命的です。 リワーク、リボールをやっている企業は最後にレントゲン写真でハンダ付けがきちんとできたか確認をしています。ところが安価な修理をやっているところは、再発がないように加圧しながら加熱したり、物理的にものをはさんで強制加圧したりとかでそれぞれ工夫はしていますが、BGAチップの実装技術を少しでも調べてみればそれらがまったく役に立たないどこどころか、過熱や複数回の加熱によりBGAチップが再利用できないまでにBGAチップを内部損傷させてしまっている可能性が高いことがわかります。 当店でも再発に困って静岡のある企業に相談したところ温度管理ができていないリワークの危険性を指摘され、自分でヒートガンで適当にやったチップはもう使えないだろうといわれました。それ以降、当店では自力によるBGAチップの修理には手を出していません。 ここ4年ほどずっと見ている個人修理系のあるサイトでは、最近HP社製ノートのBGAチップの加熱記事が連続的に掲載しているのですが、上記同様に「しばらくたったら再発した」「加熱しすぎてマザーボードごと死んだ」のくり返しの状態です。個人で納得してやっておられるので他人がとやかくいう問題ではないのですが、愛着のあるマシンやどうしても代わりがないマシンのグラフィックチップ、あるいはグラフィックボードの修理については専業の業者に依頼されることをおすすめします。 |
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上記(1)〜(3)の合計金額で、一番安いところで 8,000 円程度。15,000 円前後が多く、20,000 円ぐらいまででやってくれます。いまやBGA チップの実装技術も上がっています。これだけの料金を支払っても確実に治ることを考えれば安いものです。 中古ジャンクを安く入手しても結局は再発に悩まされまたジャンク入手。同時に家の中にジャンクごみが増大してゆくのです。故障と修理を楽しむ方ならそれでもいいのでしょうが...。 |
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この機種の液晶ヒンジはEXシリーズのようなリベットの破断はないのですが、リベットのゆるみによる液晶パネルの前後の遊びが大きくなりすぎる傾向があります。いわゆるガタつきが大きいのです。この機種でも上下のヒンジ金具板を2本のM2ボルト−ナットを使ってきっちり締めてあげれば長期にわたりガタつきのない状態に改善できます。 1本はもともとあったリベットを除去した場所に、もう1本は補強のためで、ボルトの頭、ナットが他の部品の邪魔にならないぎりぎりの場所に配置します。EXシリーズよりも空間がせまくてボルト径が小さくなるぶん、ワッシャーに工夫が必要で部品点数も多くそれぞで5個と4個で構成しています。 |
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右側のヒンジ(本体キーボードしたにある)を本体奥側から撮影。四角内が本体側ヒンジのリベット部分に穴をあけたところ。 |
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Xp時代のCeleron M 機ならWindows Updateでドライバーが当たる 以下の旧型Xp機をDSP版Windows7にアップグレードしてみました。 2004年製Dynabook TX/3514(Intel 852/855チップセット)PC2100、最大1GB(ビデオメモリ最大64MB)、Celeron M 330 1.4GHz 2005年製Dynabook AX/650(ATI RADEON 9000IGPチップセット)PC2700、最大1.25GB(ビデオメモリ64MBから最大128MB)、Celeron M 360J 1.4GHz インテルからは実質的に852/855チップセット用ドライバーが入手できず、ネット情報をもとにあれこれやっていたところ、ネットにつないだまま1日ほうっておいたらWindows Updateで勝手に「標準VGAグラフィックアダプター上の汎用Pnpモニター」としてXGA表示できるようになりました。 次の記事に、852/855チップセットにWindows7を入れて82852/82855の2000/Xp用のグラフィックスドライバーをうまく当てるヒントがあるようです。 http://blogs.yahoo.co.jp/p5_3_id/679529.html
ちなみに、もっと古い810/815チップセットにWindows7をインストールして82815の2000/Xp用のドライバーを当てるには、Windows Updateや上記サイトの手法ではうまくいかず、自己流でなんとか入れた手順をこちらに紹介してあります。関連のインテルサイトのURLもあわせて紹介してありますので、ご一読ください。 VAIO PCG-QR1にWindows7をインストールする DynabookのCeleron-M機(852/855チップセット相当機)には、ビデオメモリに十分な余裕があるためWindows Updateで標準VGAドライバーが当るだけでXGAまでが32bit True Color 表示できるようになっています。標準VGAドライバーではワイド液晶機種のWXGA(1280×800)以上の大きな表示にはXGA領域までしか対応しませんので、注意してください。 |
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デスクトップを右クリックして「画面の解像度」から詳細設定を表示。 |
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2005年製Dynabook AX/650のデバイスマネージャーの中身。 |
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