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参考 純正液晶パネルの型番は以下の通りです。(当店の液晶パネル交換サービスに使用する液晶パネルの型番ではありません) Pismo用 SAMSUNG製 LT141X7-127、LT141X7-124、LG電子製 LP141XA(D1AP) Lombard用 SAMSUNG製 LT141X5-126、LG電子製 LP141X5(B1AP) 自分でバックライト(CCFL)交換する場合は、290mm× 1.8φ (2.0φでも可)のサイズです。 |
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ここまでくると液晶パネル交換は必須 |
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PCキャリングケースからPismoを取り出して液晶を開けるなり強烈な酢酸臭(酸っぱいにおい)。 そして画面には引っかいたようなデコボコの傷状のものが。これがビネガーシンドロームという液晶の偏光フィルムが加水分解で化学変化したものです。 液晶パネルのヒンジ部分にある液晶インバータに外装カバーをはずすと、Power(電源)ボタンの右側からのぞく金属フレームに真っ白な結晶が見られ、たどっていきとトラックパッドの下のバッテリ基板の金属フレームまで感染しています。 写真や映画用フィルムに発生することで知られ、直接の原因は高温多湿の場所に長期保管することによるそうです。 |
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LombardのPowerボタン右側の白い結晶の粉がついたアルミフレーム |
Lombardの同じ箇所を、下半身のトップカバーをはずしてみたところ |
Lombardのトラックパッド直下のバッテリ基板上部のアルミフレーム |
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真っ白な結晶はどんどん周囲のアルミフレームに感染し拡散していきます。Lombard の内部はすざまじい腐食状態で、分解作業を進めるごとに結晶の粉がロジックボードの上や機内に落ちていきます。Lombardのフレームは天ぷらにコロモをつけた状態です。 |
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根本解決は無理 学このフレームの結晶の除去方法は、「水洗い」と金属片で削り落とすつまり「やすりがけ」です。結晶の先端は水洗い程度で落ちますがフレームに近くなると硬度もあり、3,4回やすりがけをくり返す必要があります。 酢酸臭は水洗いできないロジックボードやキーボードなどにも匂い移りがありますので完全に除去することはできません。 このため、液晶パネルを交換しても「完璧になった感」はいまいちです。 脱臭剤といっしょにビニール袋に入れたらいいのかもしれませんが、未挑戦です。 |
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清掃前 |
清掃後 アルミフレームの表面は変質してしまい色もアルミのもつ金属光沢がなくなった |
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Pismo/Lombardを長期間、使わずに保管されている方はこの臭いにご注意。 G3以前のPowerbook やWindows ノートPC、日本語ワープロ専用機も液晶パネル部分に同じ素材を使っているため、同様な症状になります。 大切なコレクションは、しまいこまずに、部屋に出したまま通気を確保しましょう。 |
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ビネガーシンドロームの原理 液晶パネルの偏光フィルムが、長期間高温多湿環境下に置かれることで発生するビネガーシンドロームですが、偏光フィルムに旧世代の素材「TACフィルム」が使われている機種にのみ発生します。現在はどのメーカーも「PETフィルム」に置き換わっていて発生しません。 パソコンでは「TACフィルム」と「PETフィルム」の端境期である1990年代後半の一部のPowerbookやWindowsノートにおいて、ビネガーシンドロームが確認され、筆者の調査では「TACフィルム」素材の液晶表示パネルを採用した、Pismo(SAMSUN、LG電子)とVAIO(日立製液晶のMe、2000機)の事例が抜きん出ています。 液晶パネルの仕様書に偏光フィルムの素材名が記載されている訳ではありませんが、パソコン用液晶表示パネルとしてはこの3社以外に事例は見つかりませんし、PCメーカーとしてはAppleとSONY、DEC(日立製)ぐらいで東芝でも1990年前後の日本語専用ワープロ「Rupo」を除けばDynabookでは事例がないことなどをふまえると映画フィルムなどに関する各種報告書や技術的な論文の記述から、ビネガーシンドロームを発生しているPCは「TACフィルム」を採用した機種だと考えて差し支えないと思います。
【参考PDF】 東京大学学術機関リポジトリ マイクロ資料の劣化 - 原因と対処
日本写真学会誌 2013 年 フィルム保存のための環境づくり—経費節減のアイデア— https://www.jstage.jst.go.jp/article/photogrst/76/1/76_11/_pdf
* ひるがえって、既存の「TACフィルム」採用機ではもとと同じ液晶パネルに交換しても、ビネガーシンドロームが再発する可能性があることは自明の理ですから、今後への対応としては「PETフィルム」採用の液晶パネルに変更することが最良です。 |
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本記事は筆者が独自に調査した内容に基づいて記載しております。 以下のサイトにはさらに詳しい内容が記載されておりますので、あわせてお読みください。 ■PowerBook G3 Series のチューンナップ http://web.archive.org/web/20040403215256/http://www.bekkoame.ne.jp/~t-imai/mainj2.html |
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2000年発売のPowerbook G3(Pismo)では、CPUドーターカード自体は400、500MHzとも共通部品ですが、異なるCPU(PPC750L-FB0B400、500)を使っています。 400MHzのドーターカードは、クロック設定チップ(10kΩの抵抗チップ=当店実測)の位置を1ケ所変更することで簡単にクロックアップ(CPU内部動作倍率の変更)できます。 10kΩの抵抗チップがなければ、ハンダでブリッジを作っても(つまり0Ωでも)OKとのネット上の記事がありました。
R127-R130行の抵抗チップの位置を左右にずらすだけなので作業はシンプルです。 抵抗チップ(●)の並びです。 |
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Pismo 500MHzドーターカード |
Pismo 400MHzドーターカード |
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→ 拡大 |
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右列のうちR128が短絡 |
右列のうちR128とR130が短絡 |
R130位置のチップををR127側にずらせば500MHz |
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500MHzドーターカード (●)R117 (×)R119 (×)R125 (●)R128 (●)R126 (×)R129 (●)R127 (×)R130 |
400MHzドーターカード (●)R117 (×)R119 (×)R125 (●)R128 (●)R126 (×)R129 (×)R127 (●)R130 |
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当店ではPowerPC G4チップ MPC7410 アップグレードを行った場合、この方法で400MHzのドーターカードを有償で500MHzに変更してお渡ししております。 |
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ネット情報では、最大550MHzへのクロックアップが、コア電圧などいくつかの設定やOSへのファイル追加で可能なように書かれていますが、極限を目指す方は上記のチューンナップURLも参考にチャレンジしてください。 当店ではCPUチップの交換と抵抗チップの移動だけで達成できる500MHzで十分と考えています。 |
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【お断り】本記事の情報は、すでにリンク切れの以下のサイトの転載となります。 ■PowerBook G3 Series のチューンナップ http://web.archive.org/web/20040403215256/http://www.bekkoame.ne.jp/~t-imai/mainj2.html 詳細については上記サイトに直接アクセスください。 原文ページを公開された方にこの場を借りて心より感謝申し上げます。 |
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1999年前期発売のPowerbook G3(Lombard)では、333MHz、400MHzともCPUドーターカード自体は共通部品で、クロック設定チップ(抵抗チップの抵抗値は不明)の位置を変更することで簡単にクロックアップ(CPU内部動作倍率の変更)できます。
Lombard のCPUドーターカードではCPUの位置は、Pismoの場合とは表裏逆になっています。(Wallstreet、PDQとは同じドーターカード下面側です) 写真はありませんが、Wallstreet、PDQと同じ位置に設定用の8個分のポジションがありますので、こちらの写真を参考にしてください。 ドーターカード下面のR116-R133の設定を変更しますが、実際は抵抗チップの位置を左右にずらすだけなので作業はシンプルです。
抵抗チップ(●)の並びです。 |
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400MHzドーターカード (×)R133 (●)R129 (×)R132 (●)R128 (●)R131 (×)R127 (×)R130 (●)R126 |
333MHzドーターカード (×)R133 (●)R129 (●)R132 (×)R128 (×)R131 (●)R127 (×)R130 (●)R126 |
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